いとかめHP > イトカメPCサポート > WindowsPE3.0を使ってみる

WindowsPE3.0を使ってみる

初めに
 最近、WindowsPE(Windows Preinstallation Environment:Windowsプレインストール環境)というOSがあるのを知りました。一言で言うと、「CD等から起動出来る、コマンドプロンプトしか使えないWindows」です(正確には違います)。
 ただこれが、色々調べていくうちに、結構便利である事が判ってきました。コマンドプロンプトしか使えませんが、Windowsではあるので、USB機器がプラグアンドプレイで認識されたり等、非常時のデータ救出などにも役立ちます。
 そこで早速「WindowsPE3.0」のメディアを作ってみたので、今回はこれを使ってみようと思います。
 
 
ご注意
  • このページの内容は、筆者が使用した事例の紹介に過ぎません。決して、作動を補償するものでも、メーカがサポートするものでもございません。
  • このページの内容をご利用された事によって損害が生じた場合でも、筆者は一切の責任を負いかねます。悪しからずご了承願います。ただ、皆様のお役に立てれば幸いです。
 
[図15]
[図16]
 
事前準備
 今回は、コマンドプロンプト自体は使った事があるものとして説明致します。

 用意したものは、以下の通りです。
  • WindowsAIKをインストールしたWindows7のPC
  • 書き込み可能なDVDドライブ・ライティングソフト・DVD(CD)メディア
  • DVD(CD)に焼き付けたWindowsPE3.0(作り方は「WindowsPE3.0のメディア作成手順」を参照)
  • 実際にWindowsPE3.0を起動するPC
  • ソフトウェア等を入れる為のUSBメモリ
 まずはWindowsPEのメディアをPCにセットし、光学ドライブ優先でPCを起動します。起動デバイスの選択方法はPCの機種によって異なりますので、説明は割愛致します(電源投入直後に指定のファンクションキーを押すのが一般的です)。光学メディア起動が選択された際「Press any key to boot from CD or DVD..」と表示されている間に、何かキーを押すのをお忘れなく。
 
Step.1:「DISKPART」コマンドを使う
 まずは、WindowsPE3.0に標準で搭載されており、利用シーンが多いと思われる「DISKPART」コマンドを使ってみます。「DISKPART」とは、ディスクのパーティション操作やフォーマットを行うツールです。
 それでは使用例として「新規に購入したHDDに、Windowsのインストールを前提としたパーティションを確保する」という操作をやってみます(図15参照)。
入力コマンド 解説
diskpart 「DISKPART」を起動します。
list disk 接続されている物理ディスクの一覧を表示します(これから操作したいディスクの番号を確認します)。
select disk 2 (今回は)2番のディスクを選択します。
clean (2番ディスクの)既存パーティションを全て破棄します。
create partition primary size=32768 サイズが32768MB(32GB)のパーティションを1つ作成します。「size」を省略すると、ディスク全体を1パーティションとして作成されます。
list partition 選択されているディスク上のパーティション一覧を表示します。
select partition 1 1番のパーティションを選択します。
active (1番パーティションを)アクティブにマークします。OS起動パーティションには必ずこの操作が必要になります。
format quick フォーマットします。オプションとして「fs=fat32」と付けるとFAT32でフォーマットされます(オプションなしの場合は容量により自動選択されます)。
assign letter=f: ドライブ文字(Fドライブ)を付与します。「letter」を省略すると空き文字が自動で割り振られます。
exit DISKPARTを終了します
補足
  • 「list ***」コマンドで表示されるリストのうち、既に選択されているものについては先頭に「*」印が付きます。図15の例では「list partition」入力時点でパーティション1が選択されている為、その後の「select partition 1」は必要ないという事になります。
  • 「active」と「format」は逆でも差し支えありません。
  • Windows7をインストールする為に事前にパーティションを確保しておく場合では、実際のWindows7インストール途中でフォーマットやドライブ文字の付与が行われる為、DISKPART上でこれらを 行わなくても差し支えないでしょう。
 
Step.2:Windows用ソフトウェアを使う
 「PE」と言えどWindowsですので、Windows用のソフトウェアが利用出来たりします。ただWindowsPE上に「インストール」するのは難しいので、フォルダごとコピーすれば動くようなソフトがよいでしょう。
 WindowPEとは関係ありませんが、USBメモリに入れて単独で起動させるようなソフトウェアの使い方がありますので、そのような場で紹介されているソフトウェアであれば、動く可能性が高いかと思います。ちなみに16bitアプリケーションは動きません。
 今回はそんな中から画像編集ソフト「GIMPPortable」を起動してみます。

 「GIMPPortable」は予めUSBメモリに入れて用意しておく事とします。WindowsPE上ではコマンドラインから起動しなければならない為、保存したフォルダ名と実行ファイル名は覚えておきましょう。
  • WindowsPEを起動した状態からUSBメモリを取り付けます。
  • プラグアンドプレイでUSBメモリが認識されるのを、しばし待ちます。
  • USBメモリに割り当てられたドライブ文字を確認する為に、DISKPARTを起動、「list volume」コマンドでドライブの一覧を表示させます(図16参照)。
  • DISKPARTは「exit」で終了、確認したドライブ文字をもとに、実行ファイルを実行させます(今回の場合は、「e:\gompportable\gimpportable.exe」)(図16参照)
 起動してくればOKです(図17参照)。
 
Step.3:WinPE本体にexeファイルを埋込む
 WindowsPEの起動ディスクの中身をみてみると、「boot.wim」というファイルがあるかと思いますが、これがWindowsPEの本体です。起動ディスク上では1つのファイルですが、実際にWindowsPEを起動させると、この中身が展開されてWindows(PE)が起動します。Windowsですのでやはり「Windows」フォルダや「Program files」フォルダなど存在するのですが、これらのファイルが圧縮されてboot.wimという1つのファイルになっていると解釈してよいかと思います。
 「boot.wim」を一時的に解凍(マウント)する事で、WindowPE起動時に展開されるフォルダ群の中に、任意のファイルを埋め込んでやる事が可能です。
 今回は、WindowsPE起動時の「Windows\System32」フォルダの中にWindowsAIKに含まれている「Imagex.exe」を埋め込んでみます。
  • まずはWindowsPEに必要なファイル群を揃えます(揃え方は「Windows PE 3.0のメディア作成手順〜Step.2」を参照)
  • 「Deployment ツールのコマンド プロンプト」を管理者として実行します(「Windows PE 3.0のメディア作成手順Step.2」を参照)。
  • コマンドプロンプトが起動したら「imagex /mountrw C:\WinPE\ISO\sources\boot.wim 1 C:\WinPE\mount」と入力し[Enter]キー(これで「boot.wim」が「C:\WinPE\mount」にマウント(中身が展開)されます)(図18参照)
  • 「copy "C:\Program Files\Windows AIK\Tools\x86\imagex.exe" C:\WinPE\mount\Windows\System32」と入力し[Enter]キー(ただのファイルコピーなので、Windowsエクスローラ上でコピーしてもOK)(図18参照)

  • 「imagex /unmount /commit C:\WinPE\mount」と入力し[Enter]キー(アンマント(修正されたファイル群が「boot.wim」へ再圧縮)されます)(図18参照)
 これで埋め込みは完了です。更新された「boot.wim」を使ってメディアを作成します(「Windows PE 3.0のメディア作成手順Step.3」を参照)。
 
終わりに
 考え出すと、色々な事が出来そうですが、WindowsPEは常用する為のOSではなく、利用制限も多々ありますので、規約は守って運用しましょう。

 ちなみに、USBメモリを今回Step.1で紹介致しました「DISKPART」を使ってFAT32でフォーマット(DISKPARTはWindows7にも搭載されていますので、Windows7のコマンドプロンプトから実行してもOKです)し、「Windows PE 3.0のメディア作成手順〜Step.2」までで用意したファイル群(「ISO」フォルダの中身)をUSBメモリの直下に保存すると、WindowsPEが起動するUSBメモリが作れます。

 お疲れ様でした。
 













































[図17]
[図18]
 







このページの
最上部へ移動