項目 |
内容 |
該当 車両 |
- メーカ:本田技研工業(株)
- 車名:フィット
- グレード:1.3L・FFtypeA
- 車両型式:LA-GD1
- 原動機:L13A
- 車台番号:GD1-1089305
- 初回登録日:2001年12月13日
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故障 内容 |
- 発生日時:2002年8月30日(金) 16:50頃
- 故障内容:通常の走行中に予告なくエンジンが停止。エンジン停止後は再始動不可能。
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故障の 原因 |
- TDCセンサー(エンジン部品)のねじの緩み
- 生産工程の前加工部分担当の常時勤務者と交代した代理勤務者のポカミス
- 2002年末現在、同故障の発生の可能性のある車両の所有者に対し、この情報は公開されていません。
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この故障による影響 (予想) |
予想 (1) | エンジン停止により、ハンドルが重くなる (パワーステアリンクが停止するため) ↓
山道など、カーブの多い道路を走行中にこの故障に遭遇した場合、ハンドルをうまく切る事が出来ず、道路外に飛び出す危険あり。更にはその先が崖だった場合、転落する事も十分に考えられる。 |
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予想 (2) | エンジン停止により、ブレーキの制動力が低下する (ブレーキへの補助動力が停止するため) ↓
高速道路を走行中にこの故障に遭遇した場合、高速のまま前の車に衝突するなど、大事故に至る事も十分に考えられる。 |
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結論 | この故障は致命故障と呼ぶに十分な内容と言えるだろう。 |
故障時の詳細 |
- 2002年8月30日(金)16:50頃、被害者が買い物から帰宅しようと該当車両に乗車、通常通りエンジン始動、走行を開始。
- 約50メートル進んだ後、信号のある交差点で、赤信号にて停車。
- 信号が青になったのを確認後、ブレーキより足を放し、該当車両を発進をさせようとしたところ、エンジンは既に停止していた。
- (当然)イグニッションキーの操作はしておらず(ONのまま)、燃料は約半分程度残っていた。
- その後何度も再始動を試みるがエンジンは始動せず。
- 被害者は、(非力なため)自力で該当車両を移動する事が出来ず、比較的交通量の多い交差点で(45分間)立ち往生した。
- このためJAFに応援を要請した。
- この時のJAFオペレータのアドバイスにより、交通整理をして頂く目的で、被害者より警察署に通報を行った(JAFの応援要請の直後に通報した)。
- 警察官の方が到着した際、付近をたまたま通りかかった心ある通行人の手助けもあり、該当車両は人力にて路肩へと移動が出来た。
- その後(45分後)、JAFが到着、近隣の販売店(ホンダベルノ店)へ該当車両を運んだ。
- 販売店にて部品をいくつか交換したが、故障箇所が特定出来ず、その日は該当車両を販売店に預け、帰宅した。
- 修理が完了したのは、6日後の2002年9月5日(木)だった。
- エンジン停止の故障原因は、カムシャフトの点火時期を見ている「TDCセンサー」という部品の「締付けねじの緩み」であったとの報告を受けた。
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その後の販売店・メーカの対応 (被害者の怒りの声) |
- 被害者は故障原因の報告を受けた際、販売店(ホンダベルノ店)に対し、「ホンダ殿は、今後はいかなる方法を使って同じような不具合、不良品を市場に出さないような対策を行っていくのか?書面で回答を下さい。一ヶ月後に、一度その進展を連絡下さい」とお願いをし、帰宅した。
- その際、販売店の工場長は、被害者のお願いを承諾した。
- 被害者の声:「事の発端は「エンジン構成部品のねじの緩み」、つまり人為的ミスによる不具合である。普通ならとうてい考えられないが、起きてしまったことなので、元には戻せない。しかしながら、製造者、ホンダとして、このような不具合が起きた場合、今後はいかなる方法を使って同じような不具合、、不良品を市場に出さないような対策を行っていくのか?私はホンダユーザーとしてどうしてもそれを知っておきたかった。」
- 一ヶ月を過ぎても、被害者に対し、販売店からは何も回答もなかった。
- 10月初旬(10月5日前後)、被害者は、WEB上のホンダのオフィシャルサイト内に「使用中のホンダ製品について」というユーザー向け問合せページがあることを発見し、このページ内に本件の詳細の書込みを行い、回答を待った。
- 更にそこから、2週間が経過したが、電子メールでの回答さえ返ってこなかった。
- しかたなく、被害者よりお客様相談センターへ電話で問いあわせを行った。
- その際のお客様相談センターの回答は、「メールは頂いたよう?です。回答はまだしてませんでした。対策はすでにとっていますので安心して下さい。対策方法の文章ですか?それは出したくないです。今後出すつもりもありません」との事でした。(お客様相談センター担当:真写(まさ)様)
- 被害者より「口では”対策してます”というのは誰でも言えます。本当にしているのかどうか?メールの問合せにも何の反応も無い、あなたの言葉をどのように信用すればいいのですか?」と質問したことろ、「私達を信用して頂くしかないですね」の一点張りであった。
- この時点で、お客様相談センターから誠実な回答が得られないと判断し、被害者は再度、修理を行った販売店へ問合せを行った。
- 「読んだあとは文章をホンダが回収する」という条件付で、しぶしぶながら、本田技研工業(株)社内の不具合対策書を見せてもらった。
- その対策書の中身は、実に驚きの内容であった。
- 対策書の概要は以下の通り
- 対策書が発行されたのは2002年の2月中旬(2月14日前後)であり、対策書は被害者の事例ではなかった。つまり被害者の車両の故障より以前に同様の故障は発生していた。
- しかも同報告書内には「本不具合事例は第OOOOOO号の不具合(2002年1月)と同一内容である」という内容が記されていた。つまり報告書内には「本件で2件目です」と明記されており、被害者の車両は既に3台目の故障であったという事である。しかも「本不具合は生産工程の前加工部分担当の常時勤務者と交代した代理勤務者のポカミス(偶発的ミス)であり、再発性を認められないため、特にサービスキャンペーン等の実施は行わない」と明記してあった。
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- 今回の不具合で既に3件目であるにも関わらず、「(既に販売された車両の)ユーザーの安全確保は特に行わない」ということである。つまり、いつ、何処でユーザーが大事故を起こし、生命に危険が及ぶ可能性があるにも関わらず、ホンダは「(既に販売された車両の)ユーザーには特に連絡しない」と堂々と宣言しているのである。
- 被害者は、これ以上、本田技研工業(株)へは何も期待出来ないと判断し、本件に対する追及を諦めた。
- 被害者は、本田技研工業(株)への不信感より、フィットは売却、他社競合車に乗り換えている。
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筆者 より |
- 上記の内容を見る限り、あの「本田宗一郎」が創設した会社の対応かと思うと残念でなりません。
- いくつもの車両メーカが厳しい経営を強いられている中、多くのユーザーの信頼を勝ち得てきた「ホンダ・スピリット」は何処へ行ってしまったのでしょうか。
- 今後、本田技研工業が人道的な対応をする事を切に祈っています。
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